2025/3/11
前ラウンドの情報を含めるか含めないか
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はじめに IGLにとって大事な2つの考え方について

たとえば、ASCENTの攻めの立場で何ラウンドか終えて、はじめてKAYOULTがたまったラウンドを想定してください。
今までのラウンドの情報で守り側のKilljoyがBをまもっている×センチのサイトは初期配置の人数が少ない
という情報から、じゃあ相手のKilljoyがいるであろうAサイトをKAYOラッシュしよう!
と考えたとします。
これについて、賛成しますか?反対しますか?
5人いれば一人くらいは反対の意見を持っている人もいるだろうし、チーム内での方向性を決めるのがIGLでそれを信じるのがチームメイトだとは思いますが、
いったん個人的にどちらに賛成か考えてみてください。
賛否あると思います。
今までの情報を過信して、本当に良いのだろうか。Killjoyがこのラウンドも同じサイトを守っている確証はない。だから情報をまずはとって、おちついてから残り40秒でULTでエントリーをしたほうが良い!
という人もいれば、
いや、自分たちがULTをもっているぶん、ゆっくりしていては相手から先に仕掛けてくるリスクのあるラウンドだ。そんな悠長なことをしていたらULTをつかうまえに殲滅でやられるリスクがある!であればULTを最大限生かして初手に不意を突いたラッシュのほうが良いだろ!
という人もいると思います。
この2つの意見に対して、どちらも正解だと思っています。
もっといえば12ラウンドという長い攻めの時間があるのだからむしろ、どちらの動きもつかうべきというのが僕の考えです。
ULTでラッシュをする必要性もあるし、初手に使わずに情報取りからゆっくりと情報をとった後でULTを使うということも必要だということです。
ULTラッシュは12ラウンドの中で2回できるかどうかではあると思いますが、もっと別の例だとドライにするべきか、索敵を使って安全に行くべきかどうか。というのがあると思います。
この2つの考えはどちらも正しく、<u>IGLをするのであればこの2つの考え方がある</u>ということと、この2つは両極端ではなく<u>どちらもラウンドを通して使う必要性のある動きだ</u>という、理解をしておくことがまずは第1歩だと思っています。
ここからはこの2つの考えについて具体的なVODを例に挙げながら考えていきたい思います。
作戦に読みを含めて作るかどうか
作戦を決めるときに、
「こうしたら、相手がこうなるだろう。だからあれをしよう。」
とか
「今までのラウンドでこうだったから、今回もこうだろう。だからあれをしよう。」
といったように、作戦を実行するときに相手がこうなるだろうという予想を行い、作戦を決めることがあります。 いわゆる「読み合い」的な要素をどれだけ作戦に取り入れるべきなのでしょうか?
結局、割合の問題だと思います。
10予想で動くようなはじめの1巡目から予想のもとでうごくのか、1巡目などでは堅実にプレイをして索敵から情報をとってから4割は予想で最終の作戦を決めるのか。
索敵を行い見えた人数の情報などを使い、確実性を6割持ちながら残りの4割はよそうで最終の作戦を決めるのか。
当然、しっかりと情報収集を行い、堅実なプレイをする方が作戦の確実性が上がる一方で、情報収集に時間をかけることで相手に動きを読まれてしまい、作戦が失敗するリスクが上がってしまうと考えています。なんなら堅実なプレイはスキルの無駄遣いをうんだりします。
逆にハイリスクハイリターンなプレイによる読み合いで動く場合のメリットは、予想でスキルをエコできればそのあとにカウンターに残せるといったリターンがのぞめる、ハイリスクではあるもののハイリターンがあるという要素があります。
これらの話に、どっちかでないといけないというような最終的な結論はありません。
IGL(In-Game Leader)によっては、デフォルトの動きを多く使用し、確実な情報をもとに最終的な作戦を決める人もいれば、過去のラウンドの印象を多くつかい予想を多めに作戦を実行する人もいます。
極端にどちらかがダメということはなく、どちらも良いやり方だと思います。
ただ、ここではこれら2つのやり方にはそれぞれに良い点と悪い点が存在していることを理解しておきましょう。
自分たちから能動的に動いて、相手をコントロールしようと考えるのが予想の少ないIGLのやり方で、自分たちから動かないで今までのラウンドの印象を使いリスクなく相手をコントロールするのが予想ありのIGLのやり方です。
ここでもIGLとは「最終的に作戦を決める人」、という意味だけで使います。
予想の少ないIGLと予想の多いIGL
| 予想の少ないIGL | 予想の多いIGL | |
|---|---|---|
| メリット | 能動的にアクションを起こしたり、情報を取りに行くことで、相手が本当に自分の予想通りに動いているのかを確認できるので、最終的な作戦に確実性が生まれる。 | アクションから最終的な作戦までの時間が短い分、倒されたり、リソース面でのリスクがなく、タイミング的にも相手の不意を突ける。 |
| デメリット | ラウンド時間、残り40秒くらいまで時間を使うことで、倒されたり、リソース面でのリスクが生じる。また、時間を使うことで相手に何をしたいのかがバレやすく、堅実なプレイは最終的な作戦を読まれることもある。 | 情報収集が少ない分、読みが外れることが多く、ハイリスクハイリターンなIGLになる。 |
作戦とはさきほどのマクロ的なラッシュをするかどうかについてだけにいえることではなく、
メインコントロールをドライで行くのか索敵スキルを使ったほうが良いのか
というミクロ的な部分にも通じるものです。

例えば、簡単な例だと今までのラウンドで、
初期配置でAにKilljoyがラークをしていて、相手がAメインにホウントをつかってきて、

その後スモークを使ってくる。という情報をつかんだとします。
その次のラウンドの動きをVODで見てください。
ホウントを避けて、ドライで進行しています。
ここでホウントを避けた後、あなたならどうしますか?
① ホウントを避けられているが、確実性が欲しいので索敵しよう。
② ホウントを避けられているのでドライで進みたい。
①は堅実なタイプで、②はハイリスクハイリターンなタイプだと思っています。
どちらも間違っていないと思いますが、このラウンドの結果だけみれば、AメインをYoruが明け渡しているので、②と噛み合いが取れています。
しかし、1つ前のラウンドを見てみると、

スモークを焚いた後に、Yoruがずっとキープしているのがわかります。
つまり、ドライを選んだ場合、ワンピックを取られる可能性もあったということです。
ただし、ホウントをよけれたことを含めて
VODがとったドライには、ある程度相手がメインを引いているだろうという予想があっての選択だと思います。
予想というのは、1つ前のラウンドで

Bアクションをとった時にA索敵をしたらメインを捨てているのがわかっているので、今回のラウンドでもBにアクションをとったら、

Aメインは空いているのだろう。

であれば、Aメインはドライで進める。という予想・判断です。
これらの予想があったからドライを選んだともいえるでしょう。
しかし、予想は予想です。 1つ前にやったことと同じことを相手がやってくれる確証はなく、予想が外れて大きく削られるという可能性もあります。
前ラウンドの動きに関係なく、相手の読みによってAメインカウンターをしてくるかもしれません。
1つ前のラウンドで

ドローン索敵をしたときにクリアと思っていましたが、実際はクリアではなく、


YoruがAメインにいました。ドローンの音でいったんメインを明け渡していただけです。
その後SovaはAメインの情報をとって次のラウンドで味方に「Aメインはフリーだった」という情報を共有していたと思います。
つまり、ドローンに対してYoruが引いただけなので、VODのラウンドでドライを選択したラウンドでも、索敵を過信していると、カウンターという可能性も大いに考えられたということです。
堅実なプレイで安全をとる動きも、ハイリスクハイリターンの読み重視のどちらにも良い点、悪い点があるというのが理解できると思います。
では、どうすれば良いのでしょうか?
それは、どちらも使うことです。
堅実なプレイであれば、「結果論でここで索敵を使っていればなー」みたいな反省はなくなるでしょう。安全を重視してスキルを使えばリスクはなくなります。
しかし、堅実なプレイで必ず毎回索敵をしていては、それこそ読まれやすいです。
同じような緩急・プレイスタイルの攻めを続けると、情報をとってマクロ有利をとった攻めをしているつもりだが、相手の対応、たとえば中盤や終盤のエリアコントロールや索敵によって逆にマクロ有利をとられ始めるといったことになり、 これは堅実なプレイのデメリットです。
なので、ハイリスクハイリターンではあるものの読みの元でドライを使わないといけなかったり、読みの元でラッシュといった緩急を変える作戦を行ったりするべきだということです。
そこでリスクをとってやられたとしても、それは失敗ではなくこのあとまっている成功のために必要な動きだということが理解できるはずです。
最後に補足として、
もちろんアンチOPであればドライのリスクより堅実なプレイが求められる、
アンチエコでスタックのケアやジャッジのいそうなエリアをドライで行くというのはさすがに事故率が上がるのでどうかとは思いますが。
リスクの大きさも考えたうえで、ハイリスクハイリターンを選ぶセンスも大事ですね。
まとめ
つまり、あらためてまとめると
12ラウンドの中で堅実なプレイによる情報取りも必要だし、
予想のもとでスキルを使わないドライや予想のもとで行うラッシュといった
相手に悟られないような動きをとる必要がある。悟られないようにするには必然的にハイリスクハイリターンな動きが必要だということです。
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