2025/6/12
防衛側の「はさみ戦術」について 顔を出すタイミングとサイト中で耐えたいシチュエーション
目次
はじめに
どうもエダマメです。
今回はVCT2025 Masters Toronto の試合のVODをつかって防衛側のはさみをつかったリテイク戦術について解説したいと思います。
内容が良ければ、フォロー、リポスト!お待ちしております!!
はさみ戦術の流れを簡略化して説明
流れ
1 MIDで遅延することもできるが攻め側をあえて止めずにサイト中に入れさせる

攻め側がMIDを使ってBサイトにエントリーしてくるのに対して、MIDにいる防衛側はとめずに攻め側をヘブン側へと誘導する。
2 サイト中は耐えて、裏を待つ

ヘブンまで進行したのを確認してMIDの防衛はその裏をとるように追いかける
3 サイト中のポジションを活かすために挟む形をつくる

そして最終的にサイト中の防衛側と裏から詰めてくる防衛側とではさみの形を作る
という内容になります。
ポイント
MIDからのはさみの形をつくるためにサイト中の人が耐えることのできる状況を作ってあげること。耐えスモークを使いたいシチュエーションの一つ。
はさみの形を作れたほうが有利になるので相手を誘い込む必要がある。
そのためにMID側が配置ばれしないように顔を出すタイミングに注意する。
サイト中の味方のカバーを優先しないといけない
サイト中に味方がいればこのはさみ作戦が成功するのかというとそうではないです。
サイト中が耐えている間に挟み込みの形を作らないといけないからです。

攻め側がMID経由してヘブンエントリーした場合に防衛側がMIDではなくCTからヘブンを取り返す場合、MIDというエリアを経由していないリテイクになるので危険エリアが生まれてしまいます。

CTからヘブンをとりに行って、MIDもケアしてからサイトをリテイクしにいくのは時間的余裕がなくサイト中の味方のカバーが遅れる原因となってしまいます。

なのでMIDを経由してリテクに向かうことがポイントになるということです。

サイト中に味方がいないような通常のリテイクであれば、ゆっくりとMIDをケアする余裕があるかもしれないですが、今回のサイト中にいる味方をいかして挟む形を作るのであればその余裕はありません。だからMID経由をする必要があるということです。
サイト中の味方のポジションを活かすために「はさみの形」を作らないといけない

では、カバー優先でサイト中への関与を急いだほうが良い、ヘブンリテイクする余裕がないのであればヘブンを使わないでCTからだけのリテイクの形にすれば良いのか。というと、
はさみの形がそもそも作れないのでサイト中のポジションを活かすことができなくなってしまいます。
なので、
- サイト中の味方のポジションを活かすはさみの形を作りたい
- 味方が耐えれている間にカバーに行きたい
のであえれば、MIDというエリアをとりつつ、ヘブンからのリテイクの形をとることが大事になってくるということです。

MIDというエリアをみんなで素早く取ってから挟む形を作ることでよりテンポ間よく挟むことができるのでサイト中で耐えている味方に対して早くカバーを行うことができる点がこの作戦では重要というわけです。
VODの実例から学んでみる
SPLITの例 Bヘブンを捨ててサイト中で戦う
1 MIDとヘブンのエリアを一度手放して

2 攻め側がヘブンをとったタイミングでMIDがピークして

3 はさみの形を作り

4 サイトを制圧

SPLITの例 Aスロープを捨ててサイト中で戦う

SPLITの守りで大事なことの一つに、サイト中で戦いのかスロープを止めたいのか
というのがあると思っています。
どっちで戦いたいのかが統一できてなくてスロープで戦ってやられてしまったり、
サイト中で無理に戦った結果、カバーの発生しない撃ち合いが生まれたりしてしまいます。
なので、
チームがどこのエリアで戦いたいのかというのを大事にしていくべきで、
このVODはスロープでは戦わないでサイト中で戦おうという守り方になります。
1 初期配置

2 スロープは捨てて相手をサイト中に行かせる

3 ヘブンを取り返して

4 はさみの形を活かす

SUNSETの例 MIDのアンカーを倒してリテイクに向かう
1 相手のMIDコントロールをいったんながして

2 相手がマーケットに進行・MIDスモークが晴れてから

3 MIDをとりかえして

4 マーケットを取り返して

5 最終的にサイトを挟む

はさみ戦術で大事な考え
人数有利の打ち合いをするために顔を出すタイミングを考える
ばらばらに撃ち合うような状況づくりが狙いでもあると思います。



MIDに残ってアンカーになるSova、MIDをとられたのを報告受けてマーケットを守ろうとするOmen、最終的にサイト中にエントリーを行ったNeonとBreachの組
のように。

攻め側も防衛側も[ MID→マーケット→サイト ] という順番で進行していきますが、大事なのはタイミングになります。

攻め側が各エリアでアンカーとして本体の進行の裏を守ろとする人を置いていた場合、
VODのように人数をかけてリテイクを行っていく防衛側のほうが常に1v3のような状況になり有利に撃ち合いを起こすことができています。
人数有利の撃ち合いをするために、同じタイミング
つまり攻め側がMIDにいるときに防衛側もMIDを進んでは人数有利の撃ち合いができません。
なので、防衛側は
MIDをとりにいくときには、攻め側がマーケットにいってから進行するし、
マーケットに進行するときには攻め側がサイト中に干渉したのをみてから進んでいたと思います。
[ MID→マーケット→サイト ]
攻め側も防衛側も進むエリアをとる経路・順番が同じでも
防衛側が1つずらして進むようなタイミングのずらしというのは大事な考えだと思います。
Q. 攻め側が切り返してきた場合は人数有利の撃ち合いができないのでは?


状況としてのイメージはこのような感じですかね。
味方がやられてプッシュの情報を手に入れた攻め側が進むのをやめて裏を倒そう。
裏を倒して逆サイトにローテという可能性についてですね。
VODの例ではすべての例で攻め側は裏をとってきている防衛側の情報を手に入れてもそのままサイト中に行く択をとっています。切り返しの択をとっていなかったということです。
個人的解釈ですが、理由としては2つ考えられると思っています。
1つは配置的問題です。


メイン側に2、MID3のような23配置でのはさみの作戦を行っている攻め側は裏をとってくる防衛側を倒すには人数が足りないと判断できます。
であれば、メイン側とサイト中で合流して4配置を作りたいというのがあるからです。
これがもし、

14配置のような攻めを展開しているのであれば一度足を止めて裏を倒すという択も考えることができるとは思いますが。
2つ目はもう切り返すことのできないエリアまで攻め側が進んでしまった。
という部分です。

SPLITのAスロープからヘブンに行ってAサイトに進行した例はわかりやすいと思います。
ヘブンを降りた後に上ってBreachやViperを倒して切り返すことができません。

ほかの例も、交戦エリアが1つ前段階のMIDであれば、MIDで交戦が起きて結果次第で切り返すことができると思います。


しかし、MIDを過ぎたエリア、SUNSETであればマーケット、SPLITであればヘブンのような場所まできてしまったのであれば切り返すよりもサイト中合流のほうが良いと考えるのが普通です。
なので防衛側がMIDで交戦を起こさずに相手が「切り返しよりもサイト中への味方との合流だ!」
と思わせるようなエリアまで進んだために切り返さないのだと思います。
むしろそういうエリアにいってからのタイミングで防衛側のMIDがアクションを起こすことが大事だとわかると思います。
どこのエリアで戦うかが大事

SUNSETの例であればサイト中で耐えられるようにする工夫として
センチネルのトラップをサイト中の引いた位置に敷き詰めているのがポイントになります。
カウンターのときにも大事な考えがあります。
それは自分たちのスキルを活かすために相手がどこのエリアにきたときに
戦うべきなのかを考えておくということです。

このエリアでカウンター行動をとるのか、

このエリアに相手が来てからカウンター行動をとるのでは大きな違いです。
それを可能にするのがトリガーと呼ばれる存在になるわけですが。
カウンターというのは相手の足を止める遅延をしたいのではなく、キルをとるために行うものだと思っています。


であれば当然スキルに対してキルがとれるようにする。
つまり相手が引けないような位置に来るのをトリガーで確認してファイトをする必要があるわけです。
この記事のはさみこみの作戦だけに限ったことではなく
自分たちがどのエリアで戦いたいのか意識するのがチームゲームでは大事ということを伝えたいです。

奥のエリアが悪いというわけではなく、奥のエリアで戦うのであれば
相手がよけたとしてもそれを倒しきるために詰め切るという方法が必要になるわけです。
サイト中の守り方でも同じように考えることができます。

普通であれば、メインのチョークポイントで撃ち合って止めたい。だからメインにトラップを寄せたり、

マーケットを止めたいのであればそこにトラップを使ったりするものです。

SUNSETの例のVODの4ラウンド目のセットがまさにそれでした。マーケットとチョークポイント前で止めたいというセットアップです。
しかし相手をサイト中に誘い込み挟むことを狙っているのであれば

マーケットを遅延するようなトラップの必要はなく、サイト中で耐えることを目標にトラップを使うほうが目的に合った使い方になるというわけです。
したがって、マーケットはむしろ止めたいエリアではなく、そこはむしろ流れてもらい、サイト中で止まってもらう(サイトで耐える)ためにトラップを使うというわけです。


SPLITの例では耐えスモークという形でサイト中で耐えていました。
単にサイト中で戦いやすくするための耐えスモークという意味合いだけでなく、はさみという形を作ることを想定して、やられないためのスモークだったという意味合いのほうが強かったというわけですね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
さまざまなVODから共通した戦い方、考え方が見えていただけたなら幸いです。
Masters Torontoで使われたかはまだ確認できていないですが
Lotusも同じですよね。

このエリアで守りたいからカウンターの形を使って守るのか。
それとも

サイト中で守りたいからいったんは攻め側をながして
味方にサイト中で耐えてもらって挟み込みの形を作る。
これもどこで戦いたいのかで守り方も変わる良い例だと思います。
ぜひ、記事の内容が良ければポストへのいいねお待ちしております。
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