2025/7/20
1回目の解除音で「顔を出さない」|これの何が強いのか言語化
目次
はじめに
どうもエダマメです。今回はプラント設置後の攻め側の駆け引きのミクロ部分について言語化していこうと思います。
内容は昨日のVCT Pacific DAY 5 の PRX vs. DFMの試合からLotusの5ラウンド目の1v1シチュエーションでのプラント後の駆け引きについてピックアップしたいと思います。
結論から!
この攻め側の駆け引きがうまく機能する大事なポイント
オープンであること
ピークする場所をばらさないこと
簡単ですがこの2つがポイントになります。
なぜこの2つがこの駆け引きで大事な要素になるのかを次に説明します。
まず大事な考えを伝えると
1v1シチュエーションでのオープンプラントで一番相手に取られたくない情報とはなんでしょうか?
→それは自分の位置を相手に限定されることだと思っています。
せっかくオープンにしたのにピークする位置がばれるのであればオープンを通したメリットが即失われてしまいます。
オープンにしたのならどこからピークしてくるかわからない状況を1v1では作ると強い(と思っています)

余裕があってオープンにしたのにヘブンをのぞいて即位置が限定される。
それではもったいないと思います。
オープンにしたのならピークしないで防衛側には

どこからピークしてくるのかわからない状況を作るのが最大限の活かし方だと自分は思っています。

オープンにしたのに結局ピークして待つのであれば
どこからピークしてくるのかという状況は生かせないので位置ばれする前提でのプラント位置
たとえば


メインにいるというのを位置ばれする前提のプラントを行い体をがっつり出さないでも解除を確認できるようなプラントに初めからしておくというのも選択肢になると思います。
基本的なことかもしれないですが、プラント位置それぞれの目的を理解してその動きにあった行動をするのは大事だと思います。ただ何となくオープンにすれば良いでしょ?
ではだめだと思います。
今回はそんな1v1シチュエーション、オープンプラントでの駆け引きについて自分なりの考察をしていこうと思います。

この1回目の解除音で顔を出さないで2回目で顔を出すという駆け引きの何が強いのかというのを考えます。
オープンである必要性について
ポイント
プラントをオープンにしてピークしてくるエリアの可能性を作っておくこと。
そしてピーク有利なのが攻め側である状況を作っておく必要がある!
ポイントを説明する前にプラントの種類について簡単に説明します。
プラントにはざっくり2つのプラントがあります。
中設置とオープンプラントです。

中設置というのはプラントを通すことを優先するためにプランターが斜線をきってプラントを行う設置方法になります。斜線を切ってプラントをしたということは当然ながらプラント後に自分たちがボムを見ようとしても斜線が切られやすいという側面を持っています。

それにたいして今回大事だと言っているのがオープンプラントというのになりますが、
これはプランターが斜線の通る場所を意識してプラントをすることで、プラント後にも多くのエリアからボムを見えることのできるプラント設置になります。

デフォルト設置とよばれるものでも、ある程度プラントに対して斜線が通ることが多いのでその場合でも良いとは思います。
今回の駆け引きではこういった複数斜線を通せている状況を作っておくことが駆け引きでは大事だということになります。
相手に位置をばれないようにすること
ポイント
1回目の解除音でピークしないことでメイン択なのかサブ択のどっちなのかわからなくさせる
なんなら1回目の解除音で一番考えられるエリア、メインから顔を出さなかったことで相手にほかのエリアに注意を向けさせる。

たとえばASCENTのデフォルト設置を例に考えます。
このプラントの位置に対して解除を行う防衛側が警戒すべきエリアは1択と2択があるわけですが、まず防衛側、つまり解除側が警戒すべきメイン択は1になり、サブ択は2になります。
※便宜上メイン択が一番警戒するエリア、サブ択というのはその次に警戒するエリアということにします。両方ピークしてくる可能性を考えつつも設置ポジにたいして一番印象の強いピーク場所をメイン択としておきます。
このとき1回目の解除音、つまり相手がメイン択を警戒しているときにメインからピークしては
解除側からしても「ああ、やっぱりメインからか」
となるわけです。
ですが、1回目の解除音でメイン択から顔が出てこなかったら解除側はどう思うのか
「メイン択ではなくサブ択からくるのか?」
とメイン択もサブ択のどっちからくるのかがわからないという状況が生まれると考えています。
この相手が警戒しているときにアクションを起こすのではなく、相手が別のところに注意を向けたタイミングでピークするという考えです。
ラークとかはそのイメージに近いですかね、
たとえばICEBOXでキッチンラークに成功して防衛側のKilljoyを倒してキッチンを制圧したとします。

そのアクションを見て防衛側がキッチンを警戒するわけですが、そこに対してエイムを置いて勝負するのではなく

一度キッチンを明け渡してチューブ等にラインを下げて
相手がリテイクして引いたんだと思わせてからもう一度取り返すというラークの動きです。
相手が警戒しているのに付き合わないで、相手が警戒したエリアを安全エリアだと思わせてから宇和に回るという方法です。
(相手が絶対見ている!というタイミングをいったんかわして警戒が薄れてからピークをするイメージです)
こういう最終的に裏をとることが目的ならばれないことが大事なので相手が警戒している!
というタイミングでは勝負をしない(足音を聞いてワントライできるけどしない!最後に仕事があるから)
まあ、ラークにもやり方はいろいろあるし引かずに勝負をして注意を引くフランカーとしての動きが必要な盤面のシチューもありますが。
話を戻しますが、
ここで簡単にオープンであることと、いまはなした相手にピーク位置をばれないようにする重要性について再度まとめたいと思います。
まず、
防衛側の相手にガチ解除という択をとらせないために攻め側がピーク有利な状況を作る必要がある
↓
プラントをオープン、デフォルトにして2択以上ピークできる設置にしておく必要がある
↓
そのうえで、1回目の解除をスルーして、メイン択とサブ択のピークのどっちなのかわからない心理状況を作る
↓
2回目の解除を(倒す)本命としてピーク有利な場所からピークして倒す
流れはわかったでしょうか。
注意点について!
相手に引いた位置が見られた場合には
ピークする位置が限定されるのでこの駆け引きを行うのは非推奨です。
相手に位置がばれた場合には、

解除を鳴らしてつめてきたり
防衛側が攻め側のピークしてくる場所を限定で来てしまうと攻め側がピークしてくるまではハーフまで上げようと考えることがあり、むしろ1回目の解除で顔を出さないことでハーフまで上げられて逆に苦しくなる場合があります。
もちろん位置がばれていないからと言って素通りした結果、相手がガチ解除・ハーフ解除をしないと断言できるわけではないので、どちらにしてもガチ解除やハーフ解除のリスクは持っています。
ですが、「オープンプラントで位置ばれしていないとき」と「位置ばれしたとき」のどちらかというと「オープンプラントで位置ばれしていない」状況であれば有利なのは攻め側なので防衛側は解除は通せないからファイトをしようと考えるのが普通だと思います。

オープンのようなプラントである場合、ピークする箇所が多くてどこを警戒してよいのかわからない防衛側よりピーク有利なのは攻め側なのでハーフを通す前にワントライのピークしてくると予想ができるのでメイン択を警戒して受け待とうとするのが解除側の心理であるということを言いたいです。
だからオープンプラントでピーク有利な状況を作れているのであれば1回目を流すということがより良い効果、かみ合いを生むと考えられるというわけです。
2つのVODで駆け引きの状況を確認しよう
DFM SSeeS | VCT Pacific S2 Group Stage DAY5 : LOTUS

攻め側がフリーでプラントに成功したところから見ていきます。
ここで①オープン②相手に引いた位置がばれていない
という2つの条件を満たしています。

防衛側がリテイクの時に通ってきた経路からプラント位置に対して攻め側がピークしてくるであろう箇所はこんな感じでしょうか。

ほかにもピークしてくるであろうエリアは存在しますが、
攻め側としても1v1で相手がどこからリテイクしてくるかわからないときに上図のようなポジションに入るとケアしなければいけないエリアが増えるので

基本的にはツリーなどケアしなければいけないエリアの少なくなるような場所にポジションを行い、背中をとられないで正面だけに集中できるようにして解除音で相手の位置を把握してツリーの引いた位置から体をよせて

2回目の解除を本命にピークして倒す。というのが丸いポジションの取り方とピークタイミングになると思います。
もしくは
VODのようにプラント後にヘブンをとって

エリアを広げて相手のリテイク経路を限定してCT側を背中にしても大丈夫な状況を作っておくというのも選択肢になります。
こうして

1回目の解除音はピークしないで

2回目で倒すという流れでした。
TH MiniBoo | VCT EMEA S1 Playoffs DAY6 : HAVEN
今度はHAVENでの例を紹介したいと思います。
攻め側がYoruだった場合、相手に位置がばれたとしてもゲートクラッシュによるTPという可能性を考慮しないといけないのでよりどこからピークしてくるかがわからなくなるシチュエーションでの例になります。

攻め側のYoruはリンクの二人を倒して、メインにTPをしたシチュエーションになります。
防衛側のCypherとしては、最終サイトにYoruがいたことを味方から報告を受けているのでサイト中を警戒しつつも、

いないのであればリンク、メインを警戒するという流れになります。
1回目の解除音を鳴らして


プラント位置に対してピークしてくるであろうエリアをCypherが警戒します。

そして1回目の解除で顔を出さないで相手に位置ばれしないようにして
どこからピークしてくるかわからない心理状況を作ってから2回目の解除を狙ってピークをするという形になりました。
まとめ
オープンプラントという2択以上のピーク状況を作ることで攻め側がピーク有利の状況を作る。
防衛側はそのピーク有利をいかして攻め側がピークしてくることを予想するのでフェイクの解除音を鳴らす。
そして2回目のガチ解除(ハーフ解除)を狙ってピークすることで
防衛側の解除行動=ピークタイミング をかみあわせる駆け引きと言えそうです。
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