2025/12/9
DRXの大事にしている「相手が引けないエリア」の意識
目次
- ラウンド解説|VCT 2025 Champions : DRX vs. FNC
- 結論から書けって??
- 本編
- 1:40~1:20|エントリーまで
- 1:20~ |BreachULTのカウンター
- ポイント
- このラウンドのポイント解説と起こりえた展開予想
- なぜラッシュを行ったのか???
- DRXの意識している自分たちの戦いたいエリア / 遅延とカウンターの違い???
- 遅延とカウンターの説明
- なぜトリガーが重要なのでしょうか???
- 本題に戻りますが
- 防衛側はプッシュしてリソース差を作らないためにどういう行動が必要だったのか???
- プッシュをしてリソースがない。BreachULTでのリテイクしかできない。
- プッシュをしていなくてスキルのリソースがあった場合
ラウンド解説|VCT 2025 Champions : DRX vs. FNC
- なぜラッシュを選んだのか?
- なぜYoruULTが必要だったのか?
- 自分たちの戦うべきエリアのラインとは?
攻め側であるDRXの「BreachULTのカウンター対策」と「カウンターを行うべきエリア理論」について話そうと思います。
そんじゃ~、気合い入れてやってくよーー 💪
結論から書けって??
結論を先に書いた方がいいと思うので
「ULTのカウンターを使う時には相手が避けられないエリアに来てから使いたいです。防衛側がプラント音でのファストリテイクをBreachULTで仕掛けてきたということはラインを上げてきたということになります。サイトにリテイクした防衛側は逃げられないエリアに自らやってきているというわけです。なので攻め側はプラントを止められて切り返すのではなくULTを自分たちも持っているのであれば引くことができなくなった防衛側に対してファイトの択をとった。」
ということです。
Contents
本編
1:40~1:20|エントリーまで

攻め側はBへとラッシュを仕掛けに動きます。

その間MIDを管理していた攻め側のCypherは防衛側がMIDをプッシュしてきているのを確認しました。人数をかけていることを予想してBラッシュはさらに加速します。

YoruULTをつかいサイトがフリーであることを確認します。
ここでこのラウンドの重要な要素を確認すると、
- 防衛側は人数とスキルというリソースをかけてMIDをプッシュしていた →だからBラッシュの攻めはさらに加速した
- 防衛側はBreachULTのあるラウンドです。なのでMIDにプッシュを仕掛けてもULTというプラス分のスキルがあるのでリテイクのときにスキルがある状態を作れているラウンドです。
そして、このラウンドで重要なのがこのYoruULTになります。
かみ合ったラウンドではありますが、相手がスキルを使ってプッシュをしてきた。でも防衛側はBreachULTがあるからリテイクするスキルは残せているよね?
だけどYoruULTをつかって攻めをされた場合には注意したいです。
YoruULTの使い方は「完璧な索敵能力」になります。
サイトが空であると知った攻め側は安くエントリーができてしまいます。

本来だったら消費されるスキルが数多く残されているのです。
つまり、BreachULTでリテイクがされてもスキルで止めることが攻め側にはできてしまうのです。
リソースの流れをまとめると、
スキル量は近くてもエリアを取り返したりイニシエート(ファイト)するのに必要なスキルに差がある
防衛側は「プッシュをしてもリテイクにはULTがあるから大丈夫。」と考えていてもこのようにYoruULTが相手だとサイトを安く取られてしまうと、
BreachULT→攻め側はスキルが潤沢なのでカウンタースキルで止められてしまう
もう一度取り返そうにもプッシュでスキルを使ったのでスキルが残っておらずリテイクが難しくなっている。
という状況になるというわけです。
1:20~ |BreachULTのカウンター

攻め側はBreachULTを警戒してファストリテイクを警戒しています。
そのため全員でサイトをとるのではなく、Yoruだけにバックをホールドさせ、Omenにプラントをさせています。
実際にもBreachULTのリテイクに対して安全にひききることができました。

ですが、プラントを止められたことと、防衛側のスモークのエリアまでリテイクを許す結果となります。

しかし、攻め側はスモークが晴れるまでホールドを行い、スモークが晴れたタイミングでSovaULTをつかいもう一度とりかえす形を選択しました。

バックサイトにULTをつかいよけてきたNeonと

Breachを倒すことに成功します。

そのまま残ったFadeも倒してラウンドを取得していきました。
ポイント
このラウンドの良かったところは大きく分けて2つあります。
1つは「ULTの読み合いでのリソース管理」
もうひとつは「自分たちのカウンターするエリアがどこなのか」という意識です。
これについては下記で解説します。
このラウンドのポイント解説と起こりえた展開予想
なぜラッシュを行ったのか???
相手のファストリテイクやプラントを止める動きをとってきても切り返す時間は残しておきたい。なのでラッシュを仕掛けられるラウンドでもあったので早めにセットを行い相手のリアクションを見たかった。というのが目的にあったと思います。

攻め側はULTを使わせるだけ使わせて、プラントを止められたのであれば
Aにローテするための時間はありました。

それに、防衛側はサイトを分断するスモークを自分たちで炊いたことで攻め側にホールドされているのかローテしているのかという情報を自ら遮断しています。
なのでスモークが晴れるまではこのエリアをとられていると考えて防衛側は動かないといけないのでこのエリアがどうなっているのかがわかるまでAローテをケアする余裕がありません。
なので攻め側はそれを利用してAに静かに向かっておくという択もあります。
防衛側はプッシュでスキルを使っている・ULTも使ってしまったのでAに切り返しても防衛側は止めるスキルが残っていないのでエントリーは簡単に行えます。
DRXの意識している自分たちの戦いたいエリア / 遅延とカウンターの違い???

攻め側はスモークが晴れるまで防衛側は情報が取れないのでBに人が残るという展開は予想できます。であれば「Aに切り返す」というのは選択してとしてありだという話をしました。
ですが、実際はファイトという選択をとりました。
これは僕からするとDRXらしいなと感じている部分です。
DRXのミクロではこういう自分たちの戦いたいエリアの意識がとてもうまいチームです。
余談ですが、僕がコーチをするときには自分たちのチームに適した択を選びな、と教えています。

たとえば、PRXが撃ち合いをさせたときの勝率が80%あるチームだったとしたら、変にローテをさせて、ばらけることでリスクのある状況つくられて崩されるよりも、いま固まれているならその状況を維持してミクロでのファイトをさせる択をとらせるほうがそのチームにとっての良い択になるということです。

イメージ伝わるといいのですが、3v1でトレードが取れるかもしれないが、4v4になるよりも5人という多人数戦の5v5の状況が得意であればその状況を作れたほうが良いのでは?
ということです。
どちらも正解であった場合、当然チームの択にあったもの、勝負をさせたときの勝率を活かせる択を選択させたいということです。
このシチュエーションであれば、揺さぶってAにローテする過程でばらばらにさせられる要素が発生する可能性が0ではありません。
DRXでは5v5の勝率がどうなのかはわからないですが、
「エリアに対する活かし方」は勝負するときに良く考えているチームだと思います。
遅延とカウンターの説明
ここでスキルの「遅延」と「カウンター」としての使い方(自分の考え)を伝えると、

遅延とは「相手のエントリーが行う前にスキルを使う」
チョークポイントで止める。

カウンターとは「相手がエントリーしてからスキルを使う」
サイトでファイトするのが目的。
簡単に一言でいうならこんな感じです。

ただカウンターや遅延はサイト中で行うとは限らないですし、防衛側だけでなく攻め側であればプラント後に起きますし、ULTがあるとどうなるのか。など奥の深い部分です。
- エリアも様々
- 遅延をして時間を稼ぐことで何を目的にしたものなのか?
- ULTをつかったカウンター方法は?
- タイミングは?
ただ共通して大事なのは「スキルを返すタイミング」でこの2つの役割は変わってしまうということです。
防衛側を例に
遅延は相手のエントリーより前に返す、カウンターはエントリー後だよ。
という説明をしました、この一言解説で理解してほしいのがなぜ、エントリー前に返すのが遅延でエントリー後に返すとカウンターになるのかという理解です。
目的が理解できればタイミングも合点がいくと思うのですが、
遅延する場合は「相手に入らせたくない」→「だからエントリー前」
だし
カウンターの場合は「相手をキルしたい」→「相手をいれさせてから」
ということなのです。
なぜトリガーが重要なのでしょうか???
簡単なようですがではそのタイミングを「なんとなくきていそう」というプレイヤーの感性にゆだねてはいけません。
では「かみ合うタイミングをどのように判断するのか?」というのをカウンターでは意識して考えなければいけません。
それらをトリガー要素というのですが、さきほどのASCENTの例だとWaylayがトリガー要素になります。

WaylayがコンタクトしたらそれをトリガーにしてOmenがパラを返すというセットアップです。
これがカウンターのセットでは意識したい部分です。
カウンターとしてキルをとるスキルの使い方をしたかったけど、敵に逃げられてしまうというのは戦いたいエリアに敵が来る前にスキルを返してしまうのが原因です。

アッパーにスキルを返して倒そうとピークして

逃げられてしまってはカウンターではなく遅延としての使い方になってしまいます。
プラントタイミングでスキルを返してキルは狙わないけど遅延ができればOKであれば良いと思います。
ただ、キルをとりたいカウンターとしての使い方であれば、

トリガーになる要素を用意して置く必要があります。
この場合だとBreachに見ていてもらい引けない位置に来たのをトリガーにパラを返してピークするのがカウンターとしてのきれいな形になります。
ただ、VODの場合、Breachはプラントを行っているのでトリガーには行うことはできないですし、4v2なのでひとりで戦いをして削らないといけない場面なのでプラントで相手が詰めてくることを予想して、無理でも倒したいというシチュエーションだったと思います。なので逃げられるかもだけどパラを使ってのワントライだったと考えられます。
とにもかくにも、タイミングによって目的が変わってしまうということです。
本題に戻りますが
遅延とカウンターの使い方がわかったところでDRXのSUNSETでは何が意識されていたのかというのに戻ります。

ではSovaULTでのカウンターをするのであれば相手をどのようなエリアに来させる必要があるのでしょうか?
ここまでの説明で分かると思いますが「相手が逃げられないエリアまでこさせること」になります。
つまり、防衛側のスモークによってエリアを明け渡すことになるけど、
それはつまり防衛側のスモークまで敵はエリアをとってくることの現れです。

HAVENとかシャーペン(リテイクできる人からどんどんサイトに流れ込むfloatingの形。なので流れ込める時はだいたいがサイト中に味方がいるときなどになる。)を行うサイトでは注意したいですね。
耐えスモークとかでシャーペンができてサイトを取り返せても相手にULTによるカウンターの使い方を警戒しないといけません。
相手はULTを活かすためにあえてシャーペンを許しているというわけですから。

こんかいの攻め側であったDRXの例もそうです。
防衛側の耐えスモーク+BreachULTのリテイクを見て。
相手がサイトをスモークまで上がってくるのは明白です。点と点が結んだ瞬間とも言えます。
なので自分たちの戦いたいエリアに相手が誘い込まれているので切り返しではなくカウンターができる判断でSovaULTによる取り返しの判断をしたというわけです。
ASCENTの例もまさにDRXのカウンターの形を引用しましたが、DRXはこういった自分たちがカウンターを行う時のエリア意識や形の作り方がうまいチームだと思います。
なのでカウンターができる状況をより活かせる択の判断をしたのだと思います。
防衛側はプッシュしてリソース差を作らないためにどういう行動が必要だったのか???
ここは完全に余談になります。
防衛側はプッシュを行い、YoruULTで安くエントリーをされて、BreachULTを止められてしまい、リテイクするスキルがなくなるという展開をどうする択があったのか。
プッシュをしてリソースがない。BreachULTでのリテイクしかできない。
相手をどうにかスキルを使わせたいです。
それはBreachULTを使う前に行いたいところです。
配置で解決するのであれば、

サイト中にOmenにのこってもらい、相手のスキルを使わせてから引いてこさせるというのが選択肢としてあると思います。
今のメタTPできるエージェントに相手のスキルを使わせて引くというのはかなり強い動きです。
ドローンや索敵スキルを壊してサイト中を守っているように見せてとにかく何でもよいのでエリアをどかすためのスキルを攻め側に使わせる動きは必要だったと思います。
あとは、スモークが晴れたタイミングで使うなど
BreachULTで相手を引かせた後にその唯一残されたスキルでキルをとれるように射線を隔てているスモークがなくなってから使うと射線も通せたのかなと思います。

ULTで相手を引かせて、相手がいられるエリアを限定させる。
その限定されたエリアに対してピンポイントに残されたBreachのフラッシュをつかいキルをとる。
といった展開も可能性としてはあったかもしれません。
プッシュをしていなくてスキルのリソースがあった場合
YoruULTで安く取れれてしまうことを考えて、攻め側の2回エントリーを行うような考えと同じように、相手にスキルを使わせてからリテイクをするという流れを作るべきだった。

攻め側だと遅延の相手に対して1回目のスキルでデュエリストだけにエントリーさせる。
防衛側の遅延スキルを待つ。

2回目のエントリースキルで後続が入るという形です。
1回目のスキルでデュエリストをエントリーさせる
↓遅延スキルを変えさせる
↓
2回目のスキルで後続がエントリー開始
ダブルデュエリスト構成とかで遅延されるので先にふたりに入ってもらい。
2回目でスキルをもう一度入れて後続がエントリーする形も似ているかな。しらんけど。
今回の場合であれば、
プラントさせて相手がサイトを守らないといけない状況にする。(切り返しの択つぶし)
そのあとでBreachULTをつかいサイトを取り返す。
安くエントリーを済ませた攻め側にスキルを使わせたいので
「BreachULTはトレードさせるのが目的のリテイクスキルとしてつかう」
→BreachULTを使い、相手にスキルを使って全力でいったんリテイクを阻止してもらいカウンタースキルを使わせる
実際にサイトを取り返す目的のリテイクスキル
→残った通常のリテイクスキルを使いサイトを取り返す
という流れもあったかもしれません。
以上です。机上の空論なので可能性でしかないので。
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