この記事では、プラント後の防衛側が「CTから」ではなく「メイン側から」を主軸にリテイクすべき明確な条件を1つに絞って解説します。
結論から言うと、片側のエリアを大きく手放していて、CT側で時間稼ぎ(前目ファイト+遅延)をされるリスクが高いときは、CTリテイクよりもメイン裏リテイクが勝ち筋になります。
この記事で分かること
- 「裏リテイク」を選ぶ判断トリガー
- その判断が成立する理由(時間・エリア・相手の行動予測)
- VOD2本の共通点と、別VODでの補強

この記事で言う CT経路 と メイン経路(裏) を図解するとこのイメージです。
普段のリテイクはCT経路が多いと思います。
ただし、メイン裏に人数をかけてリテイクすべき場面が存在します。
今回は、VCTの試合から「プロが裏を主軸にしたリテイク判断をする条件」と「その意図」を言語化します。
まずは裏リテイクの実例(VOD1)
いまなうで行われているVCT Americasの試合から「裏リテイクの場面」を紹介します。
流れ(重要ポイントだけ)

攻め側はBにAstraULTでセットエントリーを狙います。
しかしメイン側で1v2トレードが起き、3v4になります。

防衛側はB確定の判断で Aを捨ててBに寄る ため、Aがフリーになります。
ラークしていた攻め側のYoruがAサイトを取ったことで、攻撃側のAstraはAへローテします。

防衛側はBメインをクリアしたあと、そのままAメイン側へ移動して 「裏リテイク」 を選びます。
観戦視点では配置が噛み合って見えます。
ですが、これは 配置の予想が成り立つ条件が揃っている からです。
- 人数振りの攻撃側が取りやすい行動は何か
- 逆サイトプラントになったとき、爆破までに残る時間はどう削られるか
- 一度手放したエリアの危険度はどれくらいか
防衛側は 4v2 の人数有利でもあります。
固まってカバーを意識したリテイクをすれば勝てそうな状況です。
それでも、わざわざCTからではなくメインからリテイクしたのはなぜでしょうか。
ここに明確な意図があります。
別試合でも同じ判断が出る(VOD2)
もうひとつ別の大会から、同じようにメイン経路でリテイクをしたシチュエーションを紹介します。
流れ(状況整理)

攻め側がBにエントリーします。
防衛側もB確定の判断で Aを捨ててBに寄り、止めようとします。

ラークしていた攻め側のViperがAを取れたと判断し、攻め側はAへローテします。

防衛側はVOD1と同じように メイン側のクリア と MIDのクリア を行い、早い段階でA確定に気づきます。Aだと分かったあと、CTから戻るのではなく、クリアしたエリアを活用して メイン側からのリテイク を選び、最終的にはメインからのリテイクを成功させます。
共通点:裏リテイクの判断トリガーは「手放したエリアの広さ」
この2つのVODで共通した、メイン経路のリテイクを選ぶトリガーは何でしょうか。
結論は、「手放したエリアの広さ」 です。
つまり、どちらも 片側のエリアをギブしている状態 になっています。
なぜ「手放したエリアが広い」とCTリテイクが難しくなるのか
たとえば防衛側は、人数不利になると見れるエリアが減るため、サイトをギブする配置を取らざるを得ない場面があります。

例としてHAVENで、防衛側がAショートで勝負して削られたとします。
3v5 で攻め側がガレージとロングからアクションを起こした場合、防衛側がAを捨ててC側に寄る割り切りをすることはあり得ます。
VODの状況も同じ構造です。
人数振りで見れるエリアが少ないからこそ「どこかのサイトだけは必ず止める」と割り切ります。

もちろん、フェイクが刺さる状況も予想できます。
その対策として「AのひとをCにローテさせる」のではなく、Aメインを上げてラークで取られないようにする という考えもあります。
こうすれば、ラークを倒せれば攻撃側にAへ行かせる択を減らせます。

Aの択を潰された攻撃側がCへ進行を速める想定なら、Cサイトの2人はリテイクにして 3v4 を作るのも大事です。

Aメインを上げる味方がいるなら、その味方はサイトカバーに参加しづらいので、Cサイト側はリテイク判断になる、という整理です。
少し脱線しましたが、ここからは「割り切った配置を取る理由」と「それが裏リテイクにつながる理由」をVODで補足します。
補足VOD:割り切り配置が強い理由(ただし裏リテイクが必要になる条件も生む)

このVODでは、防衛側は人数不利ではないものの、削られたことで見れるエリアが少ない状況です。そこでAをViperひとりにします。

MIDからA展開の可能性を残しつつ、Bを3人にして割り切った配置 を取ります。

結果、割り切ったからこそカバーが取れる形を作れて、ラウンドを勝ち取ります。

ただし、もし攻め側がMIDからA展開をしていた場合はどうなるでしょうか。
防衛側はCTやヘブンなど エリアを手放している ため、プラント後に CTからのリテイクが難しい 状況になります。メインのViperULTが見えているなら、挟まれる想定で攻め側がCTを取りに来ることも考えられます。
重要整理:裏リテイクが必要になる状況の言い換え
防衛側視点で大事なのは、
- 削られて割り切り配置を取った結果、手放したエリアが多い
- そのため、プラント後に CTからのリテイクが難しくなる
という因果です。

だからこそ、Aをひとりで管理する場合でも
- リテイクに必要な経路のエリアだけは守る
- リテイクしなければいけないエリアを少しでも減らす
という意識でホールド役割を作る必要があります。
フェイク成功=CTで時間を削られる(裏リテイクが刺さる理由)

このラウンドは以前にも紹介しましたが、攻撃側のYoruがスロープで倒され、Bでアクションを起こすフェイクの形です。
防衛側はフェイクに揺さぶられてAを手放し、Bを固める割り切り配置を取ります。
ですが実際はフェイクで、捨てたサイトにプラントされる状況になります。
この場合、攻め側は CTへエリアを広げる ことがあります。
理由は、相手が割り切った配置をしているとローテに時間がかかるためです。
なぜCTを広く取る行動が予想できるのか
鍵は 爆破までの時間稼ぎ です。
まずは、いまの状況でローテ時間を考えてください。

フェイクにかかった逆サイト(B)の人は、ローテに20秒かかります。
ですが今回の状況は、単なる20秒ローテではありません。

ここまでのVODに共通しているのは「エリアをギブしている」ことです。
つまり、
手放したエリアを取り返す → そのあとサイトをリテイクする
という 2回リテイクしなければいけない状況 が起きています。
通常なら逆サイトに人が残っていて、ナイフで走って20秒ローテができるかもしれません。
しかし、手放したエリアに敵がいる可能性をケアして武器を持つと、ローテは遅れます。
体感として、スクリーン到達までに +5〜10秒 かかることがあります。
図解:時間が削られる構造

通常のラウンドはローテ20秒で読みやすく、リテイクに18秒使えます。
しかしエリアをギブしていると、

前目で勝負されて時間を稼がれる可能性が増えます。
リテイクしないといけないエリアが増えるため、スクリーン到達が遅れ、結果としてリテイクに残る時間が減ります。
例えば、ローテ20秒のうち中間の10秒あたりから交戦が起きたとして、
- 5秒稼がれると、サイトリテイクに残る時間は13秒
- 10秒稼がれると、サイトリテイクに残る時間は8秒
CTエリアで時間を稼いだあとに攻め側に引かれて遅延スキルを使われると、まさに「遅延で勝ち」が成立します。
フェイクが成功している=寄っている、ということなので、相手は
- CTにいない(ラインを下げている)
- もしくはCT前目を取りに来る
が予想できます。
攻め側がこの状況を最大限に活かすと、
- 逆サイトからプラントサイトまでのローテそのものに時間がかかる
- さらにCTエリアで遅延や時間稼ぎをされる
という形で、爆破までの残り時間を削られます。
だからこそ、防衛側は
CTからローテすると時間稼ぎに付き合わされることを想定し、相手がCTに詰めてくる可能性が高いときは、敵がいない可能性の高いメイン経路からのリテイク を主軸にする価値が出ます。
まとめ:裏リテイクの判断トリガー
裏リテイクを選びやすい共通点
- 攻めてくるサイトが確定し、片方のサイトを手放したとき
- 人数振り / 武器ふりで早めにローテを行ったため、片方のサイトを手放したとき
- 人数振りで割り切った配置を取り、片方のサイトを手放したとき
- フェイクにかかり、片方のサイトを手放したとき
そのとき起きていること(結論)
- 逆サイトから大きくローテするのに時間をかけられたくない
- 人数振り・エリア喪失が大きいと、相手がCTに詰めてくる可能性が高い
だから、相手配置を予想して メインからのリテイク判断が大事!