こんにちは、EDAMAMEです。今回は VCT EMEA Stage1 Week4 の GX vs. FNC(HAVEN)から、 「ダブルフェイク作戦」 が上手く成立した1ラウンドを取り上げます。
このラウンドの狙いは、ざっくり言うとこうです。
- Aフェイク → C本命っぽく見せる
- ただし Cもフェイク
- 最終的に AへもどってA設置
この記事では、このダブルフェイクの核心である 「いかにリスクのないベイトの形を作れるか」 について整理していきます。
このダブルフェイクで一番重要なのは「生存したまま、寄らせる形」を作ること
ダブルフェイクは「揺さぶって終わり」ではなく、2段階目のフェイクの後に“本命サイト”を取り切る必要があります。
そのために最優先になるのは、人数を削られずに(生存したまま)、相手の判断を動かすことです。
そのために最優先になるのは、人数を削られずに(生存したまま)、相手の判断を動かすことです。
具体的には、次の4点を同時に成立させることが核になります。
- 生存すること(人数を削られない)
2回フェイクを挟んで最終的にAへ向かいます。途中で人数が削られると最終セットの価値が落ちるため、「削られない形」を優先します。
- フェイクの核=ベイトの形
フェイクの本質は「相手を揺さぶる」こと。つまり、どれだけ相手を引き付けられるかです。ここでは、最終Aセットのためにリスクを取らずに引き付けた要素を確認します。
- HAVENで重要な“ピック”の考え方
揺さぶりを成立させるには、相手がアクションに対して“寄る”判断を取りやすくする必要があります。その一つがピック(人数差)です。
※「×人数有利を取れ」という話ではなく、4v4でも良いので「○相手を削る」が重要で、“人で管理できる状態”を崩す意識が重要です。
- 情報を取らせないためのライン下げ
フェイクとバレないために、相手に「いる/いない」の確認をさせない(情報どりを遮断する)必要があります。
Aテイクで一度相手のラインを下げさせ、C側も“引き配置”を強要して、両サイトで情報が取りづらい状態を作ります。
フェイクアクションの段階でスキルを多く使うけど最終的なA攻略はフェイクを前提に安く取れることを想定されている。これは普段のスキル管理で行うような最終セットにスキルを残そう!ではなく、むしろ相手をよらせることが重要だと考えてそのアクション段階でスキルを使っておくことがむしろ大事な考えになります。
なぜ「生存したまま寄らせる」が最重要なのか
ダブルフェイクで一番怖いのは、フェイクの最中に人数が削れてプラント後に必要なリソース(人数)が足りなくなることです。スキルを使う分、人数というリソースは残しておきたいよね。という部分です。
だからこそ、フェイク中の「圧のかけ方」は“撃ち合いで勝つ”ではなく、スキル・ライン・情報で相手を動かす方が安定します。
だからこそ、フェイク中の「圧のかけ方」は“撃ち合いで勝つ”ではなく、スキル・ライン・情報で相手を動かす方が安定します。
C側を例にすると、本体側がCに“させていたこと”は、最終的にAに行く前提で見ると この2つだけです。
- 相手のラインを下げさせる+フェイクだとバレないように情報を遮断すること
- Cサイト中のセンチネルのトラップ、情報管理のスキルを壊してくること
ポイント
C側は「取りに行く」よりも、
①ライン下げ+情報遮断/②スキル破壊に役割を絞ると、リスクを最小限にしたまま“寄り”を成立させやすいです。
①ライン下げ+情報遮断/②スキル破壊に役割を絞ると、リスクを最小限にしたまま“寄り”を成立させやすいです。
この2つを行うときに、

Phoenixのファイトライン(赤色の線をラインとしてる)を意識してみてください。
Phoenixはサイトにいる防衛側のCypherとファイトしますが、重要なのはキルではなく 「ラインを下げる」 ことです。
そのため無理にアングルが広くなるサイト側へは進行せず、命を大事に戦っていることが分かります。
Phoenixはサイトにいる防衛側のCypherとファイトしますが、重要なのはキルではなく 「ラインを下げる」 ことです。
そのため無理にアングルが広くなるサイト側へは進行せず、命を大事に戦っていることが分かります。
ポイント
ここは「キルを取りに行く」ではなく、ラインを下げさせることが目的。
“生存したまま寄らせる形”を崩さないのが優先です。
“生存したまま寄らせる形”を崩さないのが優先です。

フェイクをするときには、
- カーテンのような スキルでプレッシャーをかけること(撃ち合いではなく、スキルで相手を釣る意識)
- 相手のラインを下げさせること
この2つでプレッシャーをかけられれば、フェイクとしてのベイト(相手を引き付ける形)は成立します。
リスクを取る必要がある行動も含まれていますが、不要なリスクを理解して排除し、必要以上に危ないファイトが起きないように組み立てているということです。
https://youtu.be/wxSdfM09i9g?t=862
ULTがあってサイトに突っ込むのはOKです。これは 「命を削られない」 という作戦に対して、保険が成立しているからです。
むしろPhoenixULTの運用としては、プレッシャーをかけるべき時に「フェイクで重要な“命を安全に”」という役割をこなしながら果たせるのが強みになります。
NeonULTのフェイクもありますが、あれはプレッシャー要素がある一方で、「命を安全に」とは真逆の行動とも言えます。(もちろん作戦ごとにNeonが削れる前提で組み立てられるので、作戦自体が悪いというわけではありません)
相手のラインを下げるプレッシャーをかけつつ、情報を遮断して、命も残して最終セットに残れる。そういう意味ではPhoenixはかなり適任です。
実例:VODの流れで確認(重要ポイントの実例)
1) 必要なエリアどり

「AフェイクC」と「CフェイクA」を行うために、まず 2つのエリアが必要です。
- Aにフェイクアクションを起こしてCに行くため
- Cにフェイクアクションを起こしてAに行くため
そのために必要なエリアは、次の2つです。
- ①Aロング
- ②MID(ガレージtoC)
なので、まず初めにフェイクアクションを起こすAメインを取りに行きます。
2) 相手のカウンターを誘ってピックをとる

最初のテイクアクションでAサイトに防衛側が寄った場合、「寄ったからこそ取れる択」でカウンターを狙ってくる可能性があります。
例えば、1サイトにリソースを多く集められることで、防衛側は次のような返しが取りやすくなります。
- 1回目のアクションに対して、カウンタースキルを安く使える
サイトに人が寄っている状態は、スキルも寄っている状態と捉えられます。1回目にスキルを返しても、2回目を止める余力が残る、という考え方です。
なのでドローンのアクションで、相手が安くスキルを使ってくれないか、という意図があります。
- 人数リソースが多いなら、ドローンをトリガーにAメインを取り返す(カウンター)も選べる
人数で戦えるなら、攻め側のドローンを起点に「Aメイン取り返し」を仕掛ける返しが可能性としてあります。
つまり、「人が寄ったら相手は何をしてくるか」を先に想定して、その返しを“誘う”ドローンの使い方だったと(とも)考えられます。
なので Aロングからドローンを回して、
- Aカウンターが来ても、Neonが見れているのでスタンを返して止められる
- ショートに相手が詰めてきても、トリプルピーク/二段の形で受けられる
というように、カウンターに対して「待ちの形」を用意していました。

この場面では、ショートからピークしたOPのNeonに対して、エイムを置いていたPhoenixがキルを拾うことに成功します。
ポイント
人数振りの防衛側は、3サイトを4人以下で守るのがかなり難しいです。
だからこそフェイクでは、管理しづらい状況を作ることが重要です。ここでのピックは、そのためのアクションです。
だからこそフェイクでは、管理しづらい状況を作ることが重要です。ここでのピックは、そのためのアクションです。
3) Aフェイク → C本命に見せる(ただしCもフェイク)

ここから Aフェイクのアクションをかけつつ、Cが本命に見える動きを取ります。
AフェイクをしながらCにもアクションをかける必要があるので、同時並行で進める構造になります。
AフェイクをしながらCにもアクションをかける必要があるので、同時並行で進める構造になります。
役割としては「Aにフェイクアクションをかける側」と「Cへ進行して本命に見せる側」に分かれます。
ただし今回は、Cへのアクションも本命ではなく、そこもフェイクにします。
ただし今回は、Cへのアクションも本命ではなく、そこもフェイクにします。

残り1分を切り、最終セットへ移行するタイミングでフェイク作戦を実行します。
Sovaは遠距離からスキルカバーができる利点があるため、実際にAで体を出してアクションするのはNeonだけで良い形が作れています。
アクションはかけるが、体を寄せる必要はない。この状態が「リスクのないベイトの形」です。
アクションはかけるが、体を寄せる必要はない。この状態が「リスクのないベイトの形」です。

SovaはULTをつかったあとは配置をスライドしてガレージ側へと移動してPhoenixの背中を守る形を作ります。

フェイクを行うときは、相手にフェイクだとバレないように 「ラインを下げさせる」+「情報を遮断する」 ことが重要です。
このアクションでは、
- 相手をサイト奥(バック)に下がらせる
- 下がらせた後に、ガレージ進行を簡単にチェックされないよう カーテンで遮断する
- さらにOmenがアングルを抑える
というセットで、情報を取りづらい状況を作っています。


本当であれば、Cypherのカメラ・ワイヤーなど「エリア管理スキル」まで壊すところまでをセットでやりたいのですが、Phoenixのカーテンとかみ合って、2つともワイヤーの根元を壊しているんですよね…。

とにかく、こうして Phoenixカーテンで進行が分からないようにしつつ、引かせた後の「カーテン外ピーク」をOmenが抑えることで、ガレージtoCが止まっているのか・引いているのか分からない形を作っていました。
カーテンで見えない、カーテンじゃないところからのピークでのガレージばれを防ぐためのOmenのロングの位置ということです。
4) 最終Aセットで取り切る

防衛側のAショート上がりのかみ合いはあったものの、Cフェイクによって(というか、むしろAを上げていた防衛側はAクリアだからCだと完全に情報整理して、かみ合って)Cに防衛側が寄ります。
結果としてAに残っていたNeonが、サイトを取ることに成功します。
結果としてAに残っていたNeonが、サイトを取ることに成功します。

最終的に、裏を取っていた防衛側のOmenを倒し、CTに残ったCypherも倒して、この作戦は成功です。
補足:「CフェイクA → Aフェイク最終C」ではだめなのか ?
この作戦で重要なのは、相手の配置になります。
まず、AとCのどっちをCypherがデフォルトで守っていそうなのかという点が重要です。
まず、AとCのどっちをCypherがデフォルトで守っていそうなのかという点が重要です。
どうしてCypherの位置が重要なのか。
それは 「相手が情報を取り返してくるなら、どっちなのか?」 が、この作戦のかみ合いを作るポイントだからです。
それは 「相手が情報を取り返してくるなら、どっちなのか?」 が、この作戦のかみ合いを作るポイントだからです。
Aメインを相手が取り返してくれれば
今回のようにAがフェイクでCが本命っぽく見えるから

実際に、Aにフェイクをかけるときにドローンによるリテイクアクションで Neonが一人であることがバレてしまう場面があります。
本来は「一人だとバレているのにアクションをかけてもフェイクとバレバレ」で、防衛側はAのフェイクに揺さぶられません。
本来は「一人だとバレているのにアクションをかけてもフェイクとバレバレ」で、防衛側はAのフェイクに揺さぶられません。
ですが、むしろこれは自分たちにとって やりたい動きでもあります。
- ドローンで情報をとってAはフェイクだと相手にばれる、むしろばらす。
- 体で情報をとってきてAはフェイクだと相手にばれる、むしろばらす

Aフェイクをした後に、Cフェイクを行います。このCフェイクが 本命っぽく相手には映るからです。
【Aフェイクだとバレる】→【Cが本命っぽく見える】→【Cにアクションをかける】(でも実際はCは釣り)でも相手からはCだと思っている思考の時にCにアクションが来るのでかみ合う。
「本命っぽく見せる+でも実際は釣りであるフェイクサイト」が成り立つのは、むしろかみ合いが生まれるので好都合です。
なので
引いて守ることができるCypherのサイトではなく、Aをテイクして相手にリテイクアクションを取らせることも目的の内ということです。
引いて守ることができるCypherのサイトではなく、Aをテイクして相手にリテイクアクションを取らせることも目的の内ということです。

引いて守れるスペシャリストがいるのに前目の情報は必要ないですし(デフォルトの配置の布石であえて前目をテイクして隠すとか配置をばらさない目的はありますが)、そもそもそのセンチネルがCypherなので、ロングも前目に管理できていて、ロングを防衛側がとってくる可能性は低いです。
なのでCテイクからスタートしても、相手がCロングをリテイクしてくる可能性が低く、ドローン等で「Neon一人」という情報を相手に与えづらい。
だから Aテイクを行い、Cフェイクをするという形が、この作戦ではベストだと言えます。
ラークをさせるのがNeonだったというのはポイントになる
Neonにラークをさせているのもポイントになります。
- 薄くなったサイトで1v1ファイトが得意なエージェント
- キャンセルして最終Cに行く判断になっても、走って合流できる 
プレッシャーをかけるのが得意、かつ即合流ができる。この2点を生かしてNeonにラークをさせているのだと思います。
(参考)PRXから学べ!「スキルベイトの考え」
ベイトの本質は「相手の注意を引き付けること」です。ベイトする方法・形は、撃ち合うことだけではありません。
リスクを取らないで相手を引き付ける方法の一つが、「スキルを使ったベイト」です。
たとえば、

例えば、CTでULTを1人で使って安全にベイトすることもできます。CTでULTを使っているのに、メインにいる味方を全員が見ることはないですよね。
このように、相手の注意を「スキルを使った方」に向けて別の味方を隠す。これがベイトの形になります。
このように、相手の注意を「スキルを使った方」に向けて別の味方を隠す。これがベイトの形になります。
このVODでは、裏のf0rsakeNを隠すために、CT側はPhoenixのスキル・チェンバーのTP素振り・ヘブンのFadeのプラウラーを使って「リテイクしようとしているように見せる」一方で、実際にはがっつりリテイクを行っていません。
相手がピークしてくるのを待つ“待ち”の状態で、リスクを最小限にする形を作っています。
相手がピークしてくるのを待つ“待ち”の状態で、リスクを最小限にする形を作っています。
(まあタレットで管理できていると思っているので裏を警戒しないのはそうですが、それをさらに生かすために裏のタレットをスモークで隠しているのすら考えさせない間の使い方、ベイトを行うタイミング)
PRXはこうした「スキルを使って1人を隠す」「スキルでベイトする」ことを強く意識しています。
この例は特に分かりやすいですね。裏を取っているYoruを隠すために、Vyseは壊されるのを分かった上で、スキルを連続で入れ続けています。
まとめ:ダブルフェイクは「生存したまま寄らせて、最後に取り切る」
今回のダブルフェイクでは、1段階目(AフェイクC)で相手の注意を惹く“ベイト”が必要です。 その上で2段階目のフェイクから最終Aへ行くために、リスク最小限で、生存しながらベイトをし続ける必要があります。
このポイントがこの作戦では最も重要であり、同時に今回のVOD一つとってもさまざまな工夫があったことも理解できると思います。
内容が良ければ、ぜひ!いいねとフォローをよろしくお願いします!!🙇
それではまた次回。