2025/8/31
「VCJ|FL vs. RIDとVCT|RRQ vs. TLNのCORRODEでのはさみをみてみよう。」
1st ROUND


初期配置:
防衛側は32配置(AカウンターファイトでBは引き守りの配置)
攻め側はA5のラッシュ配置

防衛側はメインにホウントをつかい索敵を行い壊されたのをコンタクトにOmenがパラノイアを返してファイトの姿勢をとります。
それに対して

攻め側もパラノイアを使い相手のファイトを止めて防衛側のラインをさげさせます。
23配置などのエリアのコントロールなどを行う時には索敵スキルを使いいるかいないかを確認してからスキルを使うか、使わないかを判断できます。
しかし、ラッシュ配置で大事なのはは足を止めないことです。
ラッシュ配置で防衛側に一度足をとめられても切り返す択をとるとマクロ負けになるためです。マクロ負けというのはエリアが狭いことで取り返すにしてもスキルをしはらったり時間というリソースを使わされる状況にさせられるためです。
そうならないためにFadeのプラウラーなどの索敵スキルを1番目のスキルにするのではなく相手がいる、もしくはそれより先にパラノイアを使うことでスピード感を優先したスキルの使い方になっています。
コンタクトしたら即パラノイアという強力なスキルを使い、相手のラインを下げる動きがラッシュ配置では大事ということです。

ここで攻め側は一度足を止めてAメインで止まる動きを見せます。
一度フリーズして足を止めるメリットとして:
・相手のラインを下げるためにスキルを使ってしまった。なので一度リチャージをしたい。
・緩急を一度おちんつかせることで切り返しの択をにおわせている。
という目的があります。とくに今回の場合、防衛側と攻め側はAメインで鉢合わせをしました。そうなるとお互いにAメインに配置が多いという状況です。
攻め側としては防衛側のこの人数の多いことを受けて切り返し択をにおわせやすい状況とも言えます。
防衛側の少人数側(ViperやCypher)がMIDやBメインから上がって体で情報を仮にとっていた場合にはこのじかんをつかった切り返しはにおわせることができないですが、メインのあたりあいをみるとCypherやViperではないほかの3人がAにいるというのがわかっています。
CypherやViperが体をつかってラインを上げてくる可能性が0ではないですが、その可能性が低いという予想もあっての時間を使った動きだと考えられます。

CypherやViperのいるサイトであれば時間を使ったプレイをしても逆サイト側がつめてくる可能性があるけど

CypherやViperがいないサイトでの時間を使ったプレイはMIDや逆サイトからのつめは基本的にないと考えられる。逆サイトにいるCypherやViperがトラップより前に出て情報をとる可能性は低いという予想です。0ではないですが。可能性の高低差の話です。

もちろん防衛側も一度相手の足が止まったのであれば、いちど引いて情報取りを行う必要があり、MIDをつめてAメインにまだいることを確認してA確定にさせるという動きも大事です。
この足を止めるアクションについてまとめると、
初手のアクションでAメインでファイトが起きた。配置としては逆サイトは引いて守っているのが定石。そしてCypherやViperが基本は詰めてこないという定石がある。
なので、メインをとれてコンタクトで上がりやすい状況ができているのでここは一度時間を使って相手の配置のラインを下げる・デフォルトにさせて相手には情報取りをさせよう。
そんな狙いが時間を使うプレイにはあります。
リチャージの理由は難しくないと思います。
ピストルということもありスキル量が元から少ないからというのもありますが、メインをとることができてもラインを下げた相手に対してセカンドスキルが残っていません。なのでリチャージが必要ということです。
次に攻め側は

MIDにスモークを炊くけれど、体はつかわずににおわせるだけのプレイを行っています。
先ほどにも話しましたが、ラインを下げた防衛側が体でMIDの情報をとりに来る可能性を考えての遅延の意図があったと思います。
一度ラインを下げた防衛側が単にデフォルトの配置でばらけては相手のアクションを受けてからローテしないといけないという受け身になってしまいます。なので情報をとりに来るにしてもMIDを警戒させたい狙いが攻め側にはあったと思います。

攻め側はOmenのスモークがリチャージされたタイミングでコンタクトでAへのエントリーを再開します。
防衛側は攻め側のMIDのにおわせのアクションに対して人数を寄せてクリアリングをしに行きます。防衛側の状況としてBメインをViperが前目に抑えているのでMIDがクリアできたタイミングでA確定とわかります。

攻め側の配置はスキルを使い切ったFadeをアンカーにして裏管理を任せています。
防衛側はMIDをクリアしたことでAが確定したのでメインに対してスモークを返しています。
しかしAを空けてAをリテイクのサイトにしているのが防衛側になります。

防衛側はA確定なのを見て、MIDからAメインにまわってリテイクをしようと動き出します。
なぜメインからのリテイクを防衛側が考えたのかを説明するには、まずリテイク配置にする防衛側と、リテイク配置だと気づいたあとの攻め側の動きの理解が大事になります。
まず、攻め側のリテイク配置に気付いた後の定石の動きを伝えます。
今回の例のようにAサイトが空だと気づいた攻め側は基本的にはCTをとりに行きます。
その意図・理由としてはサイトをからということは防衛側はサイトで止めるつもりがない守りをしているということがわかるからです。
それはすなわちスキルの温存ができているという状況です。なのでサイト中でプラント後に攻め側が守っていてもそのスキルを直撃される恐れがあります。
なのでCTやサイト以外のエリアを前目にコントロールを行い、サイトでないエリアで防衛側のスキルをはかせるという動きが重要になります。
なので攻め側はリテイク配置の防衛側を見たら基本的にはエリアを広く取る必要があります。
これがエリア的・スキル的な理由です。
もう一つはプラント後のタイムの関係です。
リテイク配置の状況にもよりますが、防衛側が揺さぶられているような状況でサイトをリテイクにしているような状況の場合、おおくはローテに防衛側は時間をくってしまう状況です。

なので、サイトでない場所を1つ目のラインとして、そこで時間を稼いで

こんどはラインを下げてサイトという2のライン・エリアで戦うことでスキル量をへらし時間を稼ぎやすく爆破につなげやすいという理由もあります。
ポストプラントの攻め側で大事な考えのひとつですが、これは防衛側が行う相手のエントリー前に前目で戦うのと似たような考えになりますね。
これが相手がローテに時間をかけている状況と爆破時間をかせぐためのサイトでの耐え方の基本的な考えになります。
次はリテイク配置をする防衛側についてです。
防衛側がメインからリテイクする理由はさきほどの攻め側のエリアのとりかたに基づいた考えです。
攻め側はAがからなのをみて丸く考えるならCTを詰めていることが予想できます。
なのでCTからリテイクすると相手の思うつぼで時間を稼がれてしまいます。
なので、その配置を考えているからこそ、メイン側が薄くなると考えてのメインからリテイクをしようという考えです。
ICEBOXが構成的にもイメージが伝えやすいので使わせてもらいますが

通常のリテイクはこのような配置になると思います。
攻め側はサイト中に残ってイニシエート(サイトでファイト)して時間を稼ぐ人と、最終的に遅延する人で分かれると思います。

このような状況で裏に回っても「人数が多い vs. 人数が多い」になってしまいます。攻め側のイエローやメインにポストプラントで配置をとるような場合で裏を主軸に行っても攻め側はカバーがしやすいです。(裏2でCT3のはさみのリテイクは別ですが)
ただリテイク配置のサイトの場合の定石を考えたときに攻め側の配置がどうなるのかと考えると、CTを広く取ります。

その結果、薄いエリアに人数をかけるというかみ合った構図を作ることができるのです。
薄いところに人数をかけられるというメリットだけでなく、先ほどにも話しましたが、揺さぶられた結果、Bプラントと気づいた場合、CTからリテイクをしていては時間を稼がれてチャンスがありません。
だからこそどう時間をかけないでリテイクできるのかが重要で薄い場所を狙う必要がある状況だとも言えます。
以上から防衛側はMIDをクリアした後にAだと気づいてAにもどるのではなく、リテイク配置をしたときにはそのまま裏に人数をかけるという選択をとっていたのだと自分は考えています。
「リテイク配置=裏にまわらないといけない」というわけではないです。リテイク配置をとったあとのリテイクの仕方はほかにもあります。ですがほかのリテイク配置にすべき状況についてはここでは割愛します。
何が言いたいのかというと、このラウンドでのリテイクの時にメインに回るのは攻め側の配置の予想があっての動きだということです。
「リテイク配置」→「攻め側がCTをとってくる」→「メインが薄いかも。」「CTからだとリテイクに時間がかかる。」
なんとなくメインからリテイクしよう。ではなく、ちゃんと理由があってかみ合いを狙っているのを見るとみていておもしろいですよね。少し話がそれましたが試合に戻ります。

攻め側はアンカーのFadeによって防衛側が人数をかけて裏をとりに来ていることを確認できました。

攻め側はデフォルトのプラントを行おうとしましたが、ここでプラントをキャンセルしてオープンプラントへと変えていきます。
このプラント位置を変える判断は最終てきにとるエリアを考えればめちゃくちゃ大事な動きになります。

攻め側は裏が多いのを受けてCTを詰める動きをとるのが定石だという話をしました。
そのときに結局CTをつめてもそのエリアからプラントに関与できなければ本末転倒です。
「CTをつめる」のはあくまで攻め側の爆破という目的のためです。
なのにCTをとれても設置に対して関与できないエリアであってはかみ合わないからです。
なので裏にいる→CTをつめる→関与できるプラントにする必要がある。
このプロセスを落ち着いて考えるのは大事です。

CT側のプッシュに対して防衛側のラークを行っているのはViper側になります。
ViperはCTの詰めをメインの裏側の味方に伝え、CTに人数が多いのでメインを早く上がれるという情報を伝えています。
防衛側のCT側にいるViperのどんぴ、位置をばれないようにするのは大事です。
Viperがやられると、相手もCTクリア、あとはメイン確定となり、正面に集中するだけで済んでしまうからです。
挟まれているという状況を維持できるだけでのプレッシャーはかなり強力なのでメイン側の味方をベイトしても良いのでメイン側が交戦を起こすまでは撃ち合わない。
撃ち合わない以上にばれるとはさみを嫌った攻め側がつぶしにかかってくる可能性がある。詰めてこられても人数不利で勝てる場面ではないので自分とチームのためにもここでばれるべきだはない状況です。

Viperは味方のメイン側のラインが上がりベイトして呉れるタイミング、そのベイトによって攻め側のCTを管理していたOmenの足音がサイト側へと寄ったのをタイミングで勝負をしに行く判断をします。
サイトへの足音を聞いたことでCTを管理している人数が少ないだろうと予想ができ、1v1をできる可能性が高いのでドンピをやめて勝負をするという判断だと思います。

CTの交戦で防衛側のViperを倒すことに成功します。
攻め側は挟まれた状況を打開するために人数の少ないとわかっているCT側を再度つぶしにうごきます。
防衛側はViperのCTでのわんぴっくをトリガーにリテイクを開始します。CT側のキルによってサイト中の攻め側はCTをケアしなければいけない状況になるからです。つまりCT側がベイトできているのでメイン側がリテイクのラインを上げるべきタイミングだからです。

防衛側はベイトのキャッチボールを活かしてヘイトを分散させることでうまくはさみの状況を活かしてのサイトリテイクに成功します。
しかし、今度は攻め側のベイトのキャッチボールが始まります。
プラント位置をオープンにした強みが後半に現れてくるのです。
図の配置を見てわかるように、CTをとり切ることでメイン側をアンカーであったFadeに後取りさせることで気付けば挟まれているのは防衛側という状況を作っているのです。
攻め側のはさみの状況についてちょっと考えてみます。

防衛側のViperがCTの勝負で勝てた場面からさかのぼって考えたいのですが、
攻め側はこのままだとサイトというエリアに対して挟まれるという状況です。
なのでただ待つのではなくここはエリアを広げに行かないといけない状況になります。
ここで考えるべきは2つのパターンです。
CTをとりに行くべきか、メイン側を勝負してエリアを広げに行くかという2つです。
CTをとり切るパターンはVODの通りなので、

防衛側にサイトをわたしても、むしろはさんでいる状況を作れます。
オープンプラントだからできるはさみではあります。中設置だった場合はサイト中からプラントを見ないといけなくなりますが、オープンにしたことでサイトを空けてもプラントをみることができまる。またアンカーのFadeがゆっくりラークしてもプラントを確認しやすい状況もプラント一つ変えるだけで有利状況ができています。
もうひとつのCTをすてて、メイン側を挟みに行くパターンについてです。CTの防衛側のViperを放置してメイン側をつぶす考えです。

これもマクロ的にみればはさみを作るファイトするエリアがサイトなのかという状況の違いかもしれないので良い択なのかもしれないです。
ただ、個人的な意見としてこのCTをとりに行くべきか、メイン側と勝負するべきかという2つのパターンの判断は「相手の人数によって決めるべき」だと考えています。
このマクロ、はさみの状況を作るべきポイントは「エリアをとれるかどうか」が核でありそこがすべてだと思っています。CTでもメインでもどっちでもいいけどエリアが取れないと最終的に自分たちに有利なはさみが作れないからです。
したがってどっちにするべきかどうかは、エリアがとりやすいかどうかであり、簡単にとれるほうに行くべきだと考えています。

VODのような状況でメイン側をとる選択をした場合、自分たちの戦いたいエリアに対してはさみの状況を作れているとはいえ、防衛側の人数が多いので交戦時間が伸びる可能性が考えられます。その場合放置していたViperにタイミングによってははさまれる危険が高い択になります。
自分たちはメイン側の防衛側と交戦しているのでそのベイトを活かしてViperが茶々を入れてくる可能性が高いということです。
なのでVODのように「人数が少ないとこ」を選択することで交戦時間を短く確実にエリアをとることができ、エリアをとることがはさみの状況を作れる選択だったと考察しています。

そして最終的にはさまれた防衛側は解除を行うことができず詰めることでノータイムという状況になりました。
【補足】
「VCT Pacific | TLN vs. RRQ」
先日行われたVCT Pacific でも似たようなラウンドがありましたので紹介します。
このラウンドでは防衛側のはさみが成功したラウンドになります。

ラウンド時間、残り56秒までの前半部分のアクションについては割愛しますが、
状況としては
攻め側はAメインからエントリー
防衛側はMIDをクリアリングして情報をとりA確定にしてからのメインリテイクになります。

エントリーを終えた攻め側について状況をまとめると、
攻め側はAが空なのをみてプラントをデフォルト設置で行います。
攻め側もサイトがからでリテイク配置だということに気付いています。
なので防衛側がメインを多くしてリテイクしてくる可能性は考えていると思います。
しかし、プラント位置に注目してほしいのですが、オープンでない点はRIDvs.FL戦での違いでもあります。
プラント位置がオープンであればCTを詰めてもプラントを管理できますが、デフォルト設置にした場合は守らなければいけないエリア、自分たちが戦わないといけないエリアはメイン側になります。なので詰める択をとりづらいというのがあります。
あとはDeadlock構成というのもあり詰めなくてもサイトのトラップで守り切れるという判断もあったと思います。サイトで守るのならむりにオープンにしないで中設置で良いからです。

メインのアンカーであった攻め側のOmenがたおされ、ここでメイン側に防衛側の人数が多いことがわかります。
CTの防衛側は顔を出さないことではさみの状況をゆうりにつくっているのが防衛側になります。

CT側の防衛のViperとWaylayは無理に勝負はしないでメイン側の進行を一度待ちます。
メイン側がいつでも出れるというタイミングでCT側がアクションを起こしベイトしてメイン側が進行しやすいようにしています。まさにベイトのキャッチボールですね。
ベイトのキャッチボールについては下記に補足記事を掲載しておきます。メイン側が食えるいちにきたらCT側がベイトしてあげて、こんどはメイン側がアクションを起こしてベイトしてCT側がアクションをしやすくするというキャッチボールです。

CT側はほぼベイトするだけ、生存するだけではさみという状況のプレッシャーがかなり強力だというのがわかると思います。
メイン側からのリテイクがきれいに刺さった場面でした。
Deadlock構成はたしかにサイト守りにおいて強力です。相手がCTからリテイクがメインになるとわかっている通常のラウンドであれば守り切れたかもしれません。
しかし、MAPをみてわかるようにDeadlockのスキルがささっていません。
強いけど万能ではない、スキルのないエリアを使ってリテイクをすれば良いという考えはまさにDeadlock相手に対してはさみというのは刺さる理由だと思います。

別のマップにはなりますがセンチネルのサイトでメイン側にトラップが多いとわかったラウンドや、メイン側からのエントリーの印象を付けた後に人数やスキルのうすくなるエリアをつかってエントリーをするという考えは攻め側でも行う重要な考えだと感じています。
【補足記事紹介】
ベイトのキャッチボール

https://article-3eansda.notion.site/25169d49f6f381e99b19de8c8db35437?source=copy_link
裏を活かすためにベイトする必要性について紹介しています。
防衛側のはさみについて

https://article-3eansda.notion.site/21069d49f6f38109a0a6e348e3e1201b?source=copy_link

MIDでスモークを使い止めるのではなく、サイト中で耐えてもらいサイト中ではさみの形を素早く作る作戦について紹介しています。
チームがどこで戦いたいのかというのを意識してあえてサイト中に行かせる、MIDにスモークがいらない、むしろ入れさせるという作戦です。
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